KGIとKPIの違いとは?図解や具体例をいれてわかりやすく解説!

KPI KGI 違い

「KPIとKGIの設定があいまいで、結局どの数字を追えばよいかわからない――」。そんな悩みを抱える担当者は少なくありません。KGIはゴール、KPIはその道筋を示すマイルストーンです。

しかし、両者をどうひも付け、チーム全体へ落とし込むかで成果は大きく変わります。

本記事では、経営層の戦略から現場の日々の行動指標まで一貫性を持たせる方法を体系的にまとめました。読み終える頃には、自社に合わせたKGIを定め、ブレないKPIを組み立てて運用を始められる状態を目指します。

このページでわかること

  • KPIとKGIの正式な定義と違い
  • KPI・KGIをつなぐ設計ステップとツリー図
  • 営業・マーケ・CSなど部門別サンプル指標
  • ダッシュボードで進捗を可視化する方法
  • KRIと指標ダイエットによるリスク管理手法

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目次

KPIとKGIとは?

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KGIは組織が「いつまでに何を達成するか」を定量で表す到達目標、KPIはその実現へ向けて日々追いかける中間指標です。ゴールとプロセスを切り分けて管理することで、戦略の大枠と現場のアクションを同じ方向へ整流できます。

ここではまず用語を押さえ、両者の関係と他フレームワークとの違いを確認しましょう。

用語の正式定義

KGI・KPIは似た言葉が多いものの、意味は明確に線引きできます。以下の一覧で整理しておくと後の設計が楽になります。

  • KGI(Key Goal Indicator)
    ↳経営ビジョンを数値化した最終ゴール。例:年間売上10億円
  • KPI(Key Performance Indicator)
    ↳KGI達成に直結するプロセス指標。例:月間商談件数200件
  • KRI(Key Risk Indicator)
    ↳未然に危険を察知する警告指標。例:解約率3%超

用語を先に共有しておけば、会議で「KPIなのかKGIなのか」といった混乱を防げます。

両者の関係を図解

KPIとKGIは上下関係ではなく「因果」でつながっています。次の表は、営業チームを例に指標がどう連携しているかを可視化したものです。

レイヤー指標例役割
KGI年間売上10億円最終到達点を定量で明文化
KPI月間新規受注額8,500万円KGIを12か月に分解し進捗を管理
KPI週次商談数50件受注額を決める主要プロセスを測定
KRI失注率30%超危険信号を出し改善を促す

上段のKGIに向け、下段KPIが階段状に積み上がり、横でKRIがリスクを警告する三層構造です。数字をこうして一枚で整理すると、因果が一目でわかります。

OKR・SMARTとの違い

目標設定フレームワークは複数ありますが、焦点や動機付けが異なります。混同しやすいポイントを要約しました。

  • OKR(Objectives and Key Results)
    ↳定性目標(Objective)と最大5個ほどの定量成果(KR)でやる気を引き出す
  • SMART(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)
    ↳目標を5条件に当てはめ、あいまいさを排除
  • KGI/KPI
    ↳企業戦略をゴールとプロセスに二分し管理負荷を下げる

OKRは挑戦的なストレッチ目標でモチベーションを高める手法、SMARTは目標そのものの質を担保するチェックリスト、KGI/KPIは組織運営の“骨格”として位置づけると整理しやすいでしょう。

KPIとKGIの違い

KPIとKGIの違い
引用:SMBC

KPIは主に短期的な業績や成果の進捗を測定する指標であり、具体的な数値や目標を追跡します。これに対して、KGIはより長期的な視点で組織の究極的な成功を測定する指標です。

KPIの例としては、リード獲得数やウェブサイトの訪問者数、コンバージョン率などが挙げられます。これらは具体的な数値目標に基づいており、日々や週単位での進捗を追跡し、必要に応じて戦略を調整するために使用されます。一方で、KGIは例えば年間の売上目標、市場シェアの拡大、顧客満足度の向上など、より大規模で戦略的な目標を示します。

KPIは、現在の業務が組織の短期的な目標にどれだけ貢献しているかを示し、個々のプロセスや活動の効果を評価するために用いられます。一方、KGIは組織が最終的に達成したい長期的な目標を示し、その成功を測定するために使用されます。したがって、KPIはKGI達成に向けた途中経過を示す指標と言えるでしょう。

KPIとKGIの設定方法

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KPIとKGI、それぞれの設定方法を紹介します。

効果的なKPIの設定ステップ

KPIを効果的に設定するには、明確なステップを踏むことが重要です。

まず、組織の具体的な目標と戦略を理解し、それに基づいてKPIを選定する必要があります。KPIは、目標達成のための具体的な進捗を示すため、目標と直接関連するものでなければなりません。

STEP
目標特定(KGI)

第一ステップは、ビジネスの目標を特定することです。たとえば、

  • 売上増加
  • 顧客基盤の拡大
  • 市場シェアの拡大

上記のようなものが考えられます。

STEP
KPI設定

これらの領域に関連するKPIを設定することです。KPIは具体的で測定可能な数値でなければならず、組織のパフォーマンスに対する直接的な影響を反映するものである必要があります。例えば、

  • 新規顧客獲得
  • 既存顧客のリピート率
  • 平均取引額

上記のようなものが考えられます。

STEP
効果測定

最後に、設定したKPIに基づいて、定期的なモニタリングと評価を行います。

このプロセスにより、戦略の効果を評価し、必要に応じて調整することが可能となります。KPIの効果的な設定と管理は、組織の目標達成を促進し、継続的な改善を実現します。

効果的なKGIの設定ステップ

KGI、すなわち「重要目標達成指標」の設定は、ビジネス戦略の成功を測定するために不可欠です。

KGIは組織の長期的な目標とビジョンに沿って設定され、その達成は組織の究極的な成功を示します。効果的なKGIの設定は、ビジネスの目的と目標に基づいている必要があり、これらの目標が達成された場合に、組織がどのように恩恵を受けるかを明確に示すべきです。

STEP
長期ビジョンの設定/特定

KGI設定の第一ステップは、組織の長期的なビジョンと目標を特定することです。これには、市場シェアの拡大、業界でのリーダーシップの確立、顧客満足度の向上などが含まれます。

STEP
成果の特定

次に、これらの長期的な目標を達成するために必要な主要な成果を特定します。例えば、市場シェアを拡大するためには、特定の製品やサービスの販売増加や新規市場への進出が必要かもしれません。

STEP
数値目標の設定

最後に、これらの主要な成果を達成するために必要な具体的な数値目標を設定します。

これらの数値目標は、KGIとして設定され、組織の究極的な成功を測定する基準となります。例えば、特定の製品の年間販売目標や新規市場での市場シェア目標などが考えられます。

効果的なKGIの設定は、組織の長期的な成功に直接影響を与え、ビジネス戦略の方向性を定めるための基盤となります。KGIは組織の究極的な目標に焦点を当て、長期的な成功を達成するための明確な目標を提供します。

KPIとKGIの具体的な活用事例

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例えば、ある企業のKGIが「6か月以内に10万ドルの売上を達成する」だった場合、この目標に向けて設定されるKPIは「6か月以内に月間500件のお問い合わせを達成する」などになります。

また、顧客満足度を上げるという目標の場合、メール調査に基づいて「85%の満足度を達成する」といった具体的な数値目標をKGIとして設定することが考えられます。これらの数値目標を達成するためには、サイト構造の最適化や新規ウェブページの作成などのKSF(重要成功要因)が必要となります​​。

マーケティング分野でのKPI活用

また、マーケティングにおけるKPIの例としては、下記項目をはじめとして多岐に渡ります。

  • 顧客獲得コスト(CAC)
  • 顧客の生涯価値(LTV)
  • 投資収益率(ROI)
  • 広告支出の収益率(ROAS)
  • マーケティング適格リード(MQL)
  • 販売適格リード(SQL)
  • フォロワーの増加
  • 転換率
  • ウェブサイト訪問者数
  • ソーシャルメディアのエンゲージメント
  • 紹介トラフィック
  • 推奨者スコア(NPS)
  • オーガニックトラフィック
  • イベント出席数
  • 顧客維持率

これらのKPIを利用することで、マーケティング活動の効果を具体的に測定し、戦略の改善点を特定できます。例えば、顧客獲得コスト(CAC)は、新しい顧客を獲得するためにかかるコストを測定し、マーケティング予算の適切な配分を決定するのに役立ちます。

また、転換率はウェブサイトやキャンペーンの成果を示し、戦略の効果を評価するための重要な指標となります。

ビジネス目標達成のためのKGIの役割

KGIは、組織全体の究極的な成功を定量的に評価し、長期的な戦略の成果を測定する指標です。例として、「6か月以内に10万ドルの売上を達成する」という具体的な数値目標や、「メール調査に基づいて85%の顧客満足度を達成する」という目標が挙げられます​​。

KGIの設定は、組織の長期的なビジョンや戦略に基づいて行われます。具体的な数値目標を設定することで、組織の目指す方向性が明確になり、全員が同じ目標に向かって取り組むことが可能になります。また、KGIは、組織の成果を評価し、戦略的な意思決定を行うための重要な基準となります。

実際のビジネスシナリオでのKPIとKGIの活用

ある企業が「3年以内にウェブサイトからの売上を100,000ドルにする」というKGIを設定した場合、これを達成するためのKPIとしては、「6か月以内に月間の問い合わせ数を500件に増やす」や「ウェブサイトの訪問者数を月間30万人に増加させる」などが考えられます。

これらのKPIは、KGI達成に向けた具体的なステップを示し、組織全体の取り組みを指導します​​。

KPIとKGIの違いまとめ

効果的なKPIの設定は、組織の具体的な目標に基づき、それに対する日々の活動の進捗を反映するものでなければなりません。一方、KGIは、組織の長期的なビジョンと戦略に沿って設定されるべきです。

マーケティング戦略を策定し、実行する上で、KPIとKGIを効果的に設定し活用することは、ビジネスの成功への道を切り開く鍵となります。この記事で紹介された具体的な活用例を参考にしながら、あなたのビジネスやプロジェクトに最適なKPIとKGIを設定し、目標達成に向けた戦略を練ってください。

正確な目標設定と測定により、ビジネスの成果を最大化し、組織全体の目標達成に貢献することが可能です。KPIとKGIの効果的な活用は、マーケティングの成果を最大化し、組織の長期的な成功に貢献します。

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